お久しぶりのブログとなりました。いかがお過ごしでしょうか。
先日、祖母が地球での仕事を終えました。
施設に入居中で、この情勢の中で簡単に面会することもできませんでした。
祖母のことを思い返し感じたことを綴っていきたいと思います。
「生きているだけで愛される」を見せてくれた人

祖母は、農家を営む家庭で、5人兄弟の末っ子として生まれました。
大人数の末っ子ということで、家族や周りの人に、それはそれは可愛がって育てられたそうです。
厳しい戦争の世を生き抜き、祖父とお見合い結婚。二人の息子に恵まれました。
子どもが独立後は、長男家族と同居をし、そこで生まれた孫の一人がわたしです。
高校卒業まで一緒に暮らしましたが、祖母はとにかく優しいおばあちゃんでした。
よくわたしや妹の世話をしてくれましたが、怒られた記憶は一切ありません。
家のことについて祖母が意見している記憶はまったくなく、十五年ほど前に祖父が他界した後は、金銭管理など身の回りのことを父に任せていました。
デイサービスを利用しつつ、五年ほど前から高齢者施設に入居。
施設に入居後は、スタッフの方によくしてもらい、父も頻繁に面会に訪れていました。
「欲」がない人
ここまで、祖母の生活について書いてみましたが、つまり、自分が頑張ってなにかをしなくても、身近な誰かがいつも気にかけてくれていた、ということです。
以前は趣味の踊りや近所の人との交流はありましたが、孫のわたしからみて祖母は「欲がない人」。
改めて考えてみると、不平不満を言う人ではなかったし、未来や過去に思いを馳せる人でもなかった。
いつも、ただ「目の前の人たちと過ごしている今」を生きていたように思います。
敵が生まれる原因

お通夜が終わって葬儀までの間、そんなことを思い返していました。
そして「おばあちゃんの周りには敵が一人もいない」ということに気が付きました。
これは、わたしにとってかなり衝撃的な事実でした。
だって「生きていくうえで、みんなに好かれるなんてことはない。絶対に、自分のことを嫌う人はいる」ということは よく言われていることだから。
もちろん、祖母の人生の中で、一人もいなかったことはないかもしれません。
でも、わたしの知る限り、祖母の悪口を言っている人を見たことがないのです。
すべては「欲」から生まれる
このことがすごく気になって、深く考えてみました。
「自分のことを嫌う人は絶対にいる」
ここには「自分がなにかしようとしたとき」という前提があるのではないか。
戦争など大きな衝突も、領土だったり資源だったり、自分にないものを欲しいというところから始まるのではないだろうか。
だとすれば「欲のない祖母に敵がいない」というのは、これまた当然のことなのかもしれない。
なにも望まなければ、世界に敵なんていなくて、大切な人たちに愛されるだけなんだ
ということがはっきりとわかりました。
家族を犠牲に、してはいけない
もう一つ、祖母を思い、心を改めたことがあります。
それは、家族を犠牲にしないということ。
当たり前のことかもしれませんが、わたしは、身近な人に甘えてしまうところがあり、今日できることを明日に回したり、夫に無理を言うことがよくあります。
子どもたちの手が少し離れつつあることもあり、これから新しいことを始めようと思っているタイミングに、ハッと気づかされました。
自分が大切にしたいものはなにか
自分が、思うように動けること。それは家族の支えがあってこそ。
家族という土台なしには活動できません。
家族が機能してこその自分。
自分が自己実現している一方で、大切な家族はどうか。
自分が何者にならずとも、愛してくれる家族。
その大切な存在を改めて感じるきっかけになりました。
「今を生きる」ということ

祖母の生きてきた時代とは生活も常識も変わっている令和の時代。
身の回りの情報量も有り余るほどで、やりたいこと、叶えたいことという「欲」ははどうしても出てきてしまいます。(それは泉のごとく…)
もしかすると、祖母にもたくさんの欲があって、我慢してきたことも多いのかもしれません(きっとそうでしょう)。
しかし、それを人に見える形で表出しなかったことで、地球での仕事を終えるとき、周りには心から愛してくれる人しかいない、という状況になりました。
「欲を消す」ということではなくて「足元を、自分の軸をきっちり把握する」ということ。
今までは、祖母に会いに行くたびにその存在感を実感していましたが、これからはそうもいきません。
最後のお別れで、そんな、ふわふわな孫に、ときどきメッセージをください、とお願いしておきました。
こういう言い方は良くないのかもしれませんが
この情勢で、近所の方にも参列を控えて頂いた結果、ほとんど身内だけでの葬儀。
それはそれは「最高なお別れ」でした。
今日も、お読みいただきありがとうございました。
愛と感謝を込めて。